人月・人日とは?読み方や単価の計算方法を解説

プロジェクトや仕事の進行状況を話し合うときに、「人月」や「人日」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

これらの言葉は、プロジェクトを計画する際によく使われる単位ですが、 意味や使い方、そして単価の計算方法については、なかなか理解しづらいかもしれません。

そこで、今回の記事では、人月と人日の読み方、意味や単価の計算方法から、 プロジェクトマネージャーが知っておきたい、人月と人日の活用法と注意点について解説します。

人月・人日とは?マンパワーの違い、人日と人工の使い分け

人月(にんげつ)とは、1人が1ヶ月間働いたときの働きぶりを表す単位で、人日(にんにち)とは、1人が1日間働いたときの働きぶりを表す単位です。

一方、マンパワーは労働者の数や能力を表す言葉であり、単位ではありません。

人月や人日は、プロジェクトの期間や労働量を見積もる際に使われるのに対し、 マンパワーは、プロジェクトに必要な人数やスキルを評価する際に使用されます。

人日と人工の使い分け

人日(にんにち)は、1人が1日間働いたときの働きぶりを表す単位ですが、人工(にんく)という言葉も同様の意味で使われることがあります。

ただし、人日と人工の使い分けには注意が必要です。

人日の使い方

人日は、労働時間が一定である場合に用いられます。

例えば、1日8時間働くことを前提とした場合、人日はその8時間分の働きぶりを表します。

人工の使い方

一方、人工は、労働時間が一定でない場合や、作業の内容や難易度によって労働時間が変わる場合に使われます。

人工は、特定の作業を行うために必要な労働量を示すため、1人工は1日以内でも複数の人によって分担されることがあります。

例えば、ある作業が1人で1日8時間かかる場合、その作業にかかる労働量は1人日と言えます。

しかし、同じ作業を2人で行い、それぞれ4時間ずつ働く場合、労働量は1人工となります。

このように、人日と人工の使い分けを理解しておくことで、労働量や期間の見積もりがより正確になります。

さまざまな業種での単価計算例

ここでは、さまざまな業種における人月や人日の単価計算方法について、具体的な例を挙げながら説明します。

IT業界の例

IT業界では、ソフトウェア開発やシステム設計などのプロジェクトが一般的です。

仮に、ある開発者の月給が40万円で、プロジェクトに関連する費用(例: ソフトウェアライセンス費用や通信費)が合計120万円だった場合を考えましょう。

このプロジェクトに4人の開発者が必要だとしたら、1人あたりの費用は30万円(120万円 ÷ 4人)となります。

従って、1人月あたりの単価は、月給の40万円に費用の30万円を加えて合計70万円となります。

建設業界の例

建設業界では、建物や道路の建設プロジェクトが行われます。

ここでは、ある作業員の月給が30万円で、プロジェクトに関連する費用(例: 資材費や機械レンタル費用)が合計90万円だった場合を考えてみましょう。

このプロジェクトに3人の作業員が必要とされるとすれば、1人あたりの費用は30万円(90万円 ÷ 3人)となります。

従って、1人月あたりの単価は、月給の30万円に費用の30万円を加えて合計60万円となります。

イベント業界の例

イベント業界では、コンサートや展示会などのイベントが開催されます。

今回は、あるイベントスタッフの月給が35万円で、イベントに関連する費用(例: 会場費用や広告費)が合計210万円だった場合を考えます。

このイベントに6人のスタッフが必要だとしたら、1人あたりの費用は35万円(210万円 ÷ 6人)となります。

従って、1人月あたりの単価は、月給の35万円に費用の35万円を加えて合計70万円となります。

プロジェクトマネージャーが知るべき人月の活用法と注意点

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理し、各メンバーの働きぶりを調整する役割があります。

そこで人月をうまく活用することで、プロジェクトの効率や成果を高めることができます。

ここでは、具体例を交えながらプロジェクトマネージャーが知るべき人月の活用法と注意点について説明します。

人月を使ったリソース管理

プロジェクトマネージャーは、人月を使ってプロジェクトのリソース(人員や時間)を効果的に管理する必要があります。

例えば、あるプロジェクトの期間が6か月で、合計12人月のリソースが必要だとすると、 2人のメンバーが6か月間働くか、4人のメンバーが3か月間働くことでプロジェクトを完了できます。

このように、人月を使ってリソースを割り振ることで、プロジェクトの効率や進捗を向上させることができます。

人月の過剰な信頼に注意

人月は便利な単位ではありますが、過剰に信頼するとプロジェクトの予測が甘くなり、 スケジュールが遅れたり、予算がオーバーするリスクが高まります。

例えば、「9人の開発者が1か月で9人月分の仕事をこなせる」と考えるのは、必ずしも正確ではありません。

実際には、コミュニケーションの手間が増えることで、効率が低下する可能性があります。

このように、人月を過剰に信頼することなく、リアルな状況を考慮してプロジェクトを進めることが大切です。

スキルや経験の違いを考慮する

プロジェクトマネージャーは、人月を活用する際に、メンバーのスキルや経験の違いも考慮しなければなりません。

例えば、経験豊富なメンバーは1人月で多くの仕事をこなすことができるかもしれませんが、経験が浅いメンバーにはもっと時間がかかるかもしれません。

このような状況を考慮して、各メンバーのスキルや経験に合わせて人月を割り振り、リソース管理を行うことが重要です。

また、経験が浅いメンバーには適切なトレーニングやサポートを提供することで、プロジェクトの効率を向上させることができます。

まとめ

人月と人日は、仕事やプロジェクトの進行状況や進捗を見るために使われる単位であり、読み方はそれぞれ「にんげつ」と「にんにち」です。

単価の計算方法は、1人あたりの給与と各種費用を合計することで求められます。

人月と人日を上手に活用することで、プロジェクトの期間やコストを効率的に計画することができます。

これらの概念を理解しておくことは、将来的に仕事やプロジェクトに関わる際に役立つ知識となるでしょう。

今回の記事で、人月と人日についての理解が深まったことを願っています。