ブーメラン効果とは、他人に「こうしなさい」と強く命令されたとき
逆にやる気を失ってしまうような心理効果を指します。
この記事では、ブーメラン効果とカリギュラ効果の違いや
メカニズムや心理的リアクタンスとの関係を解説していきたいと思います。
ブーメラン効果とは
ブーメラン効果とは、他人に「こうしなさい」と強く命令されたとき
逆にやる気を失ってしまうような心理効果を指します。
例えば、宿題をするように言われた子供が「今やろうと思ってたのにやる気なくした!」と言ってる状況などがとても想像しやすいかと思います。
僕自身も小学生のころ、何度言ったか覚えてないくらいです(笑)
子供だけでなく大人の世界でもブーメラン効果はいたるところで起こってますよね。
上司からの一方的な命令を受けた瞬間、その仕事に対してやる気を失った
なんてことは本当に毎日のように聞く話です。
ブーメラン効果が起こる原因は人間の意識的な「支配欲」
つまり自分で状況をコントロールしたい欲求が基になっていると言われています。
上司がブーメラン効果を起こさず、生産性を高めるためにできる対策としては
童話の「北風と太陽」を参考にするといいかもしれません。
北風のように力に任せて一方的に命令するのではなく、
ブレーンストーミングなどで部下自身が意見を出し、能動的に仕事に取り組むようなシステムを作ることが大切だと思います。
カリギュラ効果との違い
ブーメラン効果よく比較される心理的効果に「カリギュラ効果」というものがあります。
カリギュラ効果とは簡単に言うと「だめだと言われたものほど興味が出る、やってみたくなる」心理的な現象の事で、
例えば「このボタンは押してはいけない」と言われるとついつい押したくなったり
「この封筒の中身を見てはいけない」と言われると無性に見たくなってしまうのが
わかりやすいカリギュラ効果です。
こちらも昔話に例えると「浦島太郎」で開けるなと言われていた玉手箱を開けてしまうシーンがわかりやすいかと思います。
ブーメラン効果とカリギュラ効果。
一見するとなんとなく似ているようなイメージがありますが
ブーメラン効果は
- 自分がしたことに対する相手の反発
- 「これをしろ」「これはするな」の両方のパターンがある
対してカリギュラ効果は
- 他人から禁止されたことに対して抑制が効かなくなった状態
- 「やってはいけない」という事に対しての反応
といった微妙な違いがあります。
とはいえ、個人的にはどっちも同じような感覚で使いそうです。
心理的リアクタンスとの関係
ブーメラン効果やカリギュラ効果は、いずれも心理的リアクタンスに含まれています。
リアクタンスとは
「個人が選択する自由が脅かされたり減少していると感じたときに、反対、抵抗、反抗などの強い感情的反応を示すこと」
と定義されています。
つまり、誰かが脅威を感じているとき、そのリアクタンスがブーメラン効果やカリギュラ効果の原因となる可能性があるということなので
繰り返しになりますが、心理的リアクタンスの中にブーメラン効果やカリギュラ効果がある
という認識になるかと思います。
まとめ
ブーメラン効果強く強制した際に起こる反発行動。
それに対して似たような意味のカリギュラ効果があり、その2つの心理的効果は
心理的リアクタンスに含まれる。というお話でした。
自分の意見を真っ向からぶつけると相手も反撃してきて言い合いになってしまうことは
日常生活でも会社でも、どこでも頻繁に起こっていますよね。
人に不満があるときは正面から一言言ってやりたくなりますが、
その行動はまさにブーメランのように自分に返ってきます。
そんな時はこの記事の話を思い出して相手の立場に立ち、
どのように接したら相手は快く行動してくれるかを考えてみてはいかがでしょうか。