お客様満足度1位は本当に1位?チェリーピッキングを理解して情報を賢く見分ける方法

導入文: 現代社会は情報があふれる時代です。

インターネットやSNSの普及により、さまざまなデータやニュースが秒速で共有されますが、その中には意図的にゆがめられた情報も少なくありません。

この記事では、都合のいい情報だけを選び取り情報をゆがめる「チェリーピッキング」がもたらす影響と、個人や社会がどのように誤情報から身を守るかについて解説します。

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データの選び方で結果が変わる?チェリーピッキングとは

ナオト

ヒデさん!このモバイルバッテリー、「顧客満足度1位」らしいですよ!
良い商品なんじゃないですか??

ヒデ

​1位って聞くとすごく良いもののように聞こえますよね。
でも、それは「チェリーピッキング」の罠かもしれませんよ。

ナオト

罠?!怖いですね。。。その「チェリーピッキング」ってなんですか?

ヒデ

「チェリーピッキング」とは、文字通りおいしい「さくらんぼ」だけを選んで摘むような行為です。
ここで言うさくらんぼは満足度のデータですね。
たくさんあるデータの中から「満足度の高いデータ」という都合がいいものだけを選んで、それを真実のように見せかけることなんです。

ナオト

なるほど…。つまり、いいところだけを見せられて、実際はそうでもないかもしれないってことですか?

ヒデ

そうかもしれません。
例えばそのモバイルバッテリーが「顧客満足度1位」だとしても
・その評価をしたのはどれくらいの人数なのか
・どんな基準で評価されたのか
・他の競合商品と比べてどうなのか
といった背景が見えないと真の価値は分かりません。

ナオト

確かに、満足しました!って言ってる人たちだけを数人集めてアンケートを取ったら高い満足度になるのは当たり前ですもんね。

ヒデ

そうですね。ちょっと話はそれますが
この「チェリーピッキング」は商品の評価だけでなく、ニュースや研究結果においてもよく使われる手法です。
一部だけ切り取られた情報によって、物事の全体像が歪められてしまっているということは様々な場所で起こっているんです。

ナオト

なるほど。。。思ったより身近な問題なんですね。

ヒデ

はい。特にインターネットやSNSで情報が氾濫する現在は、一見して魅力的に見える情報にも裏があるかもしれません。
全てを鵜呑みにせず疑問を持ち、自分でしっかりと情報を確認することが大切です。

チェリーピッキングは何が問題?

ナオト

チェリーピッキングの話、すごく興味深いです。
具体的にはどんなことが問題になっているんですか?

ヒデ

​チェリーピッキングの問題は、私たちの大切な決断が間違った情報に基づいてしまうことです。
生活の様々な場面でチェリーピッキングが深刻な影響を及ぼすこともあるんですよ。

ナオト

​知らない内に誤った情報で誤った決断をしてしまう恐れがあるんですね。

ヒデ

​そうなんです。例えば製品のレビューを見る場合。
ある商品が多くの人に高評価を受けているとしましょう。
でも、その中には少なからず低評価の意見もあります。
その際、企業側がその商品を宣伝する際に高評価のレビューだけをピックアップし、低評価のレビューは隠してしまうことがあります。

ナオト

​なるほど、だから実際には満足していないユーザーもいるのに、すべての人に好評かのように見えてるんですね。

ヒデ

​そうですね。消費者は、実際には混在している意見の中からネガティブなものが隠され、すべてがポジティブなように誤認してしまうんです。

ナオト

​それは、なんかズルいですね。

ヒデ

​他によくあるのは、競合他社との比較です。
自社の製品を競合他社の製品と比較するとき、自社の製品の良い点だけを強調し、競合製品の優れた点は無視することがあります。

ヒデ

とはいえ、最近はプラス面だけを強調すると逆に「そんないいことばかりのはずがない」と不信感を持たれるようになってきているので
あえて致命的にならないデメリットを押し出すことで「それぐらいのデメリットならメリットの方が大きい」という心理で商品を選んでもらおうと誘導する手法も見られますね。
これは心理学用語で「両面提示」と言われます。

ナオト

​なるほど、かなり気をつけないとさっきのように間違った製品選びをしてしまいそうですね。
他の例も教えてください!

ヒデ

もちろんです。他には「限定的な成功事例の提示」というのもあります。
特定のケースや成功事例だけをピックアップして、それが一般的な結果であるかのように見せかける手法です。
これにより、一部の成功が全体の平均的な結果を反映しているかのような誤った印象を消費者に与えます。

ヒデ

そしてもう一つ、「データの見せ方」にもチェリーピッキングの手法が使われています。
例えば、ある期間の売上データが全体としてはあまり良くないにも関わらず、その中の短い期間だけを取り出して「売上が伸びた」と報告するケースです。
このような情報の提示方法によって実際よりもポジティブな状況をアピールしていたりします。。

ナオト

​本当に様々な方法でチェリーピッキングが行われているんですね。
知識がないと歪んだ情報を何の疑いもなく信じてしまいそうです。

ヒデ

その通りです。だからこそ私たちは提示された情報に疑問を持ち、自分で情報を複数のソースから確認して分析することが大切です。

誤った情報に踊らされないために私たちができること

ナオト

情報に疑問を持ち自分で確認するって、難しそうですが僕にもできるんでしょうか?

ヒデ

​もちろん可能ですよ!
では、手順を順番に見ていきましょう。

まずは「全体像を理解すること」が重要です。
たとえば、ある製品のレビューがすべて高評価だとしても、それは提供されたレビューの中から選ばれたもので、実際の全体的な満足度とは異なる場合があります。
私たちは情報が提示される文脈を理解し、それが全体の一部でしかないんじゃないか?という可能性を常に頭に置いておく必要があります。

ナオト

​情報の背景を理解するわけですね!ということは、情報そのものの信頼性も重要そうな気がします。

ヒデ

​まさにその通りです!
それが次のポイント「情報源の確認」です。
情報がどこから来ているのか、発信者が信頼できるか、などを考えることが大切です。
たとえばある商品の広告で「科学的に証明された」と書かれていても、その研究が実際に信頼できる機関によって行われたものなのか、調査結果が公平に報告されているのかを確認しましょう。

ヒデ

​今はそういった訴求をする場合の規制が強くなってきているので「※〇〇調べ」といったような注釈が付いています。
まずはそこを守っているか、そして注釈があった場合その機関を調べて判断してみてください。

ナオト

​情報の出どころを確かめるのは確かに大切ですね。
他にも心がけておいたほうが良いことはありますか?

ヒデ

​はい。最も重要なのは「複数の意見を参考にする」という事です。さ
1つの意見だけでなく、さまざまな専門家や信頼できる情報源からの意見を集め、比較検討することが重要です。
そうすると、情報が偏っていないか、他にも考慮すべき視点がないかを見極めることができます。

ナオト

​たくさんの視点から情報を得ることで、バランスの取れた判断ができるというわけですね。

ヒデ

​その通りです!情報には多かれ少なかれ偏りがあるものです。
ですから多様な情報源からのデータや見解を自分で収集し、分析することで、より正確で公平な結論にたどり着けるのだと思います。
私たち一人一人が「情報リテラシー」を高め、賢く情報を読み解く力を身につけることが、この時代に生きる私たちにとって不可欠なスキルです。

誤った情報に踊らされないために社会ができること

ナオト

情報リテラシーは大切ですね!情報を正しく理解する努力を頑張りたいと思います!

ヒデ

​素晴らしいです!まずは個人がそれぞれのリテラシーを高めることで、歪んだ情報を出そうとする側に「これでは通じないぞ」と思わせることが大切ですね。

ヒデ

そして情報の正確さを確保するために、最近は個人だけでなく、教育機関やメディア、政府など社会全体が動く必要もあると思います。例えば、教育機関でメタ思考を養い、1つの情報だけでなく色々な切り口で考える土台を作ることが必要になってくるでしょう。

ナオト

​教育を通して、情報を判断する力をつけるわけですね。
メディアはどのような役割を担っているのでしょうか?

ヒデ

​メディアの役割は非常に大きいです。
見る人が減ったとはいえ、テレビや雑誌などのメディアは多くの情報を提供する主要な情報源ですから、報道される内容の正確性やバランスには特に注意を払う必要があるかと思います。

ナオト

​有益な情報もたくさんあるけど、中には噂レベルの信ぴょう性が低い情報があったりしますもんね。

ヒデ

​そうですね。個人の努力に加えて情報を発信するメディアの努力も必要です。
そして最後は全体のバランスを保つ政府の役割が重要です。
例えば、誤情報を拡散する行為に対する規制の実施や、正しい情報が市民に届くようなサポート体制の整備。
健全な議論の場の提供や科学的根拠に基づく情報の普及活動のサポートなど。
少し抽象的ではありますが、多くのことが望まれます。

ナオト

本当に、社会全体で連携して、誤った情報から守る対策を講じることの大切さが理解できました。

ヒデ

情報の質を守り、誤情報から市民を守るためには、教育、メディア、政府が一丸となって、それぞれの役割を果たすことが不可欠です。
そして私たち個人も、日々接する情報に対して多面的に見る目を持ち続けることが重要ですね。

まとめ

チェリーピッキングは、都合の良いデータや情報のみを取り上げ、事実を歪める手法です。

この危険に対処するためには個人が情報リテラシーを高め、批判的思考を用いて情報を受け止めることが重要です。

さらに教育機関、メディア、政府が連携し、正確でバランスの取れた情報提供のための環境を整えることが求められます。

誤情報に惑わされることなく正しい判断を下す力を身につけ、健全な社会を維持するために、それぞれが責任を持って行動することが不可欠です。