マイクロマネジメントは絶対悪か?良い例と悪い例を考える

仕事に対していちいち細かいやり方を支持してくる上司ってしんどいですよね。

そのようなマネジメントの仕方はマイクロマネジメントと呼ばれます。

マイクロマネジメントは、適切に用いれば仕事を期限内・予算内に完了させるための有効な手段となりますが、
過度の使用は生産性、モラル、自主性に悪影響を及ぼす可能性があります。

なので、本来は必要な指導を行うことと、従業員が自分の力で仕事を完了できる自主性を認めるバランスを取ることが重要となります。

この記事ではマイクロマネジメントの良い例と悪い例を検討することで、マイクロマネジメントの適切な使用方法を考察します。

マイクロマネジメントとは?

マイクロマネジメントは、マネージャーが従業員の仕事を細かく監督し管理することを指します。

マイクロマネジメントをするマネージャー(マイクロマネージャー)は
従業員が作業を遂行するための方法、手順、活動についていちいち細かく指示を出し、仕事をする方法をコントロールしようとします。

仕事の進捗状況に常に関心を持ち、極度に細かい詳細を求めてくるので
部下からすると何も任せられていないような気持になったり、束縛されているような気持になって過度にストレスを感じることになってしまいます。

さらに悪いことに、マイクロマネージャーは自分が管理するプロジェクトやチームのすべての決定を自分で行おうとします。

部下に対して決定権を与えず、全ての権限を自分で持とうとするため部下のやる気をどんどん奪い去っていく結果になりがちです。

そうなると部下は自分のアイデアを出しづらくなったり、さらには自分で判断することをやめてしまう可能性があります。

このようなマネジメントスタイルは「従業員に対する信頼がない」と指摘されることになり
ひいてはマネージャー自身にマネジメント力が無いと批判を受ける恐れもあります。

マイクロマネジメントの良い例

冒頭からマイクロマネジメントについての悪い面を強調してしまいましたが、
マイクロマネジメントは、特定の状況下で適切に使用されると非常に有益なものとなります。

たとえば少数の従業員で小規模なプロジェクトを実行する場合、マイクロマネジメントは品質と時間を確保する上で重要な役割を果たすことができます。

マイクロマネージャーは目的と期限を明確にし、個々の従業員の強みに応じたタスクを割り当てることで部下を指導し、チーム全体をリードすることができます。

また、品質が特に重要な仕事を実行する場合、マイクロマネジメントは有益な役割を果たすことができます。

たとえば建設プロジェクトなどでは工事を正確に実行する必要があります。

このような場合はマイクロマネジメントを用いることで、すべての作業プロセスが正しく実行され、スムーズに業務を調整することができます。

マイクロマネジメントが効果的な場面

マイクロマネジメントが特に効果的な場面の例を2つ紹介します。

チームが新しいタスクに取り組む場合

まず1つ目は部下が新しいタスクに取り組む場合です。

部下が新しいタスクに取り組む際、彼らは自信がなく何をすべきかわからない場合があります。

このような場合、マネージャーが従業員に必要な情報を提供しタスクの実行方法を示すことで、部下をサポートすることができます。

チームメンバーの目標が一致している場合

2つ目はチームメンバーが同じ目標を持ち、さらにその目標に対する問題を認識している場合です。

達成するべき目標ややるべきことが一致している中で発生した問題に対しては
マネージャーが解決策を素早く判断し、実行に促すことができます。これにより、プロジェクトの品質が向上し、スピード感のある業務が可能になります。

マイクロマネジメントは仕事の内容やメンバーの条件が揃えば使える

以上、場合によってマイクロマネジメントが有効に機能することを解説しました。

ネージャーは仕事の性質や部下の能力に基づいて、適切なマネジメントスタイルを選択する必要があります。

また、マネージャーは部下の意見を尊重し、彼らが自己決定力を持ち、自律的に仕事をすることができるようサポートすることも重要です。

マネージャーが部下に信頼を置き、彼らの自主性を奪わないようにすることが最優先事項で
その条件がそろった上で部分的にマイクロマネジメントを用いることが大切です。

マイクロマネジメントの悪い例

マイクロマネジメントは必要な場合には有益である一方で、過度に使用すると従業員にとってストレスとなり、負の影響をもたらす可能性があります。

部下の自信がなくなり、能力が発揮できなくなる

マネージャーが部下を継続的に監視し、細かい指示を出しすぎると
部下は自分自身の能力に対する自信を失い、創造的な問題解決や自己決定力の発揮が難しくなる可能性があります。

また、マネージャーが常に進捗状況を確認すると部下は緊張感を感じることがあり、自分の能力を過小評価する傾向があるため、モチベーションの低下につながることがあります。

さらにマイクロマネジメントは、部下が自分自身の仕事を完了するための自己判断力を発揮できなくする可能性があります。

マネージャーが仕事に過度に関与しすぎると、部下が自分自身で問題解決や意思決定をする機会が少なくなり、自己決定力が低下する可能性があります。

その結果部下は自分自身の能力を過小評価してしまい、新しいアイデアを出すことができなくなり、生産性の低下につながる可能性があります。

部下の評価が正しく行えなくなる

また、マイクロマネジメントは、部下の能力を適切に評価することができなくなる可能性があります。

マネージャーが仕事に過度に関与しすぎると、部下の長所や短所を適切に評価することが難しくなります。

その結果マネージャーは、各従業員の能力やスキルを最大限に活用できず、より高いレベルの従業員に適した仕事を部下に与えることができなくなる可能性があります。

部下同士のチームワークが崩れる

さらに、マイクロマネジメントは、組織全体に悪影響を与える可能性があります。

マネージャーが仕事に過度に関与しすぎると他の従業員に対して信頼関係が損なわれ、従業員間の協力やチームワークが損なわれることがあります。

また、マイクロマネジメントによって部下が自分自身の能力を十分に発揮できず、組織全体の成果が低下することがあります。

マネージャーは部下の長所と短所を正しく評価し、それぞれの能力に合わせた仕事を割り当てることが必要です。

さらに、部下が自分自身で問題を解決し自己判断力を発揮できるようにサポートすることで、マネージャーと部下間に信頼関係が築かれ、組織全体の成果を最大化することができます。

マイクロマネジメントの効果的な活用法

マイクロマネジメントを効果的に使うには、マネージャーは従業員に対して尊重を持ち、プライバシーを尊重しなければなりません。

従業員には自分自身で問題を解決するために十分な心理的安全性が必要であるため、マネージャーに監視されていると感じられると、不快を抱かせてしまうかもしれません。

そうなると、先でもお話したように部下は自己決定力を持つことができなくなり、自信とやる気が失われる可能性があります。

マネージャーは、従業員に彼ら自身の方法でタスクを完了させる余地を残すことが重要です。

タスクの完了に必要な要素を明確にすることが重要ですが、従業員がタスクを完了する方法や手順を選択する自由を与えるべきです。

これにより、従業員はより創造的で柔軟なアプローチを取ることができ、自分の能力を最大限に発揮することができます。

おわりに

マイクロマネジメントを効果的に活用することは、マネジャーにとって重要なスキルの一つです。

マイクロマネジメントは適切な状況下では、品質、正確さ、そしてスピードを確保するための有効なツールとなります。

しかし、具体的な期待値とリソースを用意し従業員にある程度の自主性を持たせた上で、控えめに使用することが重要です。

これらの内容、チームを成功に導くことができるためのヒントになれば幸いです。